私の父の話です。
父はバイクに乗るのが趣味で、休日はいつもバイクで出掛けていました。
ある日、一般道でいつものようにバイクに乗っていると、後ろの車がおかしな動きをしていることに気がつきました。
バイクに近づいたり離れたり、後ろで左右に揺れていたり。そこまで道端が狭い道でもないので、父はすぐにあおり運転だと気づきました。しまいにはクラクションを鳴らされ、そのまま違う道へ曲がって行ったそうです。暫く煽られたことで苛ついていた父は、運転している人の顔を一目でも見てやろうとその車を追いかけました。
父のバイクに追われていると気づいた車は、止まることなく進んでいきました。もう少しで追い付く…その瞬間、前にいたその車が急ブレーキをかけたのです。
父もブレーキをかけましたが間に合わず、車とぶつかってしまいました。バイクは倒れ、父は道路に投げ出されました。
前の車の窓から50代くらいの男性が顔を覗かせ、そのまま慌てて立ち去って行ったそうです。
その後父は病院へ運ばれ、足を骨折したことにより入院しました。
もちろん警察へ届け出を出しました。しかし、父のバイクにはドラレコがついておらず、もし相手の車にもドラレコがなければどちらが悪いのかわからないため、父の過失となる可能性もあると言われました。結局逃げた車を探して貰うことはせず、バイクは廃車となりました。父の怪我はもう完治していますが、それなりにショックだったようでバイクの話はしなくなりました。こういった陽の目を見ないあおり運転の話はたくさんあるのではないかと思います。